派遣・パートから正社員になる道|紹介予定派遣・無期転換・登用の違い
未経験から正社員を目指すとき、派遣やパートを経由する道には制度の「期限」があります。紹介予定派遣の6か月、派遣先の1年、無期転換の5年。厚生労働省の資料をもとに、自分がいまどこにいて、面接や更新の面談で何を聞けばいいかを書きました。
「いつか正社員に」と思いながら、派遣やパートで働いている人は多いと思います。そして、その「いつか」がいつなのか、誰も教えてくれない。
私は企業側の採用を手伝う仕事をしていて、埼玉の求人サイト「サイタマのオシゴト」も運営しています。採用する側を見ていて思うのは、正社員への道は気合いや運だけで決まるものではなく、制度の上に何本か線が引いてある、ということです。線の位置を知っていれば、どこで何を言えばいいかが見えてきます。
先に言っておくと、どの道が正解かは人によります。ただ、道ごとに「期限」の長さがまるで違う。そこから話します。
最初から正社員を前提にするなら、紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣で働きはじめ、派遣先と本人がお互いに納得したら直接雇用に切り替える前提の働き方です。
期間には上限があります。厚生労働省の派遣先が講ずべき措置に関する指針は、紹介予定派遣で同じ人を受け入れられるのは6か月までと定めています。長くても半年で答えが出る。ここが普通の派遣との一番の違いです。
同じ指針には、派遣先が雇わなかった場合、派遣会社から求められれば理由を書面で示すこと、とも書かれています。私なら、もし見送られたらその理由は必ず派遣会社経由で聞きます。次の職場で同じところでつまずかないために。
未経験の人にとっては、職場の空気を実際に見てから決められるのが大きい。面接の短い時間では分からないことが、毎日通えば分かります。
普通の派遣でも、1年を超えると変わること
紹介予定派遣ではない、いわゆる普通の派遣で働いている人にも線はあります。
労働者派遣法では、派遣先の同じ事業所で1年以上続けて働いている派遣労働者に対して、派遣先が正社員を募集するときはその内容を知らせなければならない、とされています(厚生労働省の解説資料)。掲示板に貼る、派遣会社を通じて伝える、といった方法です。
つまり、1年働いた職場で正社員の募集が出ていたら、あなたにも届くはずの情報だということ。届いていないなら、派遣会社の担当者に「いまの派遣先で正社員の募集は出ていますか」と聞いていい。遠慮する話ではありません。
パートや契約社員は、会社の「転換の仕組み」を確かめる
パート・アルバイト・契約社員として直接雇われている人は、見るところが少し違います。
パートタイム・有期雇用労働法の概要によると、会社は正社員への転換を進めるために、正社員の募集内容をいまのパートや契約社員にも知らせる、社内公募に応募できるようにする、転換の試験制度を設ける、といった措置のどれかを講じる義務があります。同じ資料は、契約更新のときの面談などを使って制度を知らせることも勧めています。
ここは使えます。更新の面談は、会社がこの話をしやすい場でもあるということ。私なら「こちらでは正社員への転換の制度はありますか。あるなら、どんな条件で、これまで何人くらい転換していますか」と聞きます。制度が就業規則に書いてあるだけで実績がない、ということもあるので、人数まで聞くのがコツです。

